まずは往年の名作映画からチョイスしまして、
約250年前の童話を原作とし、詩人のJ・コクトー自ら脚色、
メガフォンも執った、1948年公開の『美女と野獣』を。
アニメ映画史上初のアカデミー作品賞ノミネートのディズニー版や
劇団四季のミュージカルが有名ですが、ベースはこの映画です。
3人の娘を持つ商人が旅の途中、森の中の無人の古城に迷い込む。
庭で末娘ベルへの土産にしようとバラの花を摘むと、野獣が現れて
盗んだバラの化わりに命を貰うと脅すが、娘の1人を身代わりに
するなら許すと言う。帰宅した父の話を聞きベルは身代わりを志願。
彼女を慕う若者アブナンの制止も聞かずに、1人で城に向かうが
会ってみると野獣は心優しかった。やがて父の病を知るベル。
一方アヴナンは、野獣を殺して財宝を奪おうと森に入る…。
この野獣は、女性が付き合う前の男性の象徴とも見立てられます。
無骨で荒っぽく、良さも感じず、考えている事もわからない。
会う前や最初の印象ではそれが後の王子様とは思えないわけです。
そして男というのは誰もが多かれ少なかれ、野獣みたいなもの。
女性と出逢い、その愛で、野獣は王子様に変わるかもしれません。
これは男女逆の立場にも言える、恋愛の教訓となる物語。
野獣の対極に居るアブナンのような男に唆されないようご注意を!
美女と野獣(1946/日本公開1948)フランス
監督/ジャン・コクトー
主演/ジャン・マレー/ジョゼット・デイ
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